特殊格局と従格(従格)の読み解き

八字の従格・専旺格から真従・假従まで。成格条件、見分け方、実務の落とし穴と事例。大運・流年で「借りて力を発揮する」か「内面の引っ張り」かを読む。

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実務の八字では、多くの命式が「身強・身弱」の扶抑で用神を取りますが、日主の力が極端で自立できないときに特殊格局が現れます。代表例が従格です。

従格は普通の旺衰の話ではなく、五行が徹底的に勢いに乗る結果です。日主が極弱で他勢に従うか、極強で一方に専旺するか。この類は『滴天髓』に「真従、天下に幾人」とあり、希少で貴重な一方、誤読も多いです。

真従と假従の違いを押さえると、大運・流年の起伏だけでなく、人生が力を借りて伸びるのか内面が引っ張られるのかが見えてきます。

従格とは?成格の核心

本質は**「日主は失令で根がなく、局中の他勢が専旺」。日主(日干)は休囚死絶の月に生まれ、地支に強根がなく、天干にも印・比劫の明確な生扶がなく、力が十神または五行の一系に集中し、日主は自己を捨てて従う**しかない。

正格の「調候用神」とは別物で、従格の喜用神は従うその勢いそのものです。

大きく二類に分かれます。

一、従弱格(日主極弱・外勢に従う)

よくあるタイプ:

  • 従財格:財星(正財・偏財)が極旺で日主は根も印もなく、食傷は財を生むが比劫が奪わない。
    月令が財や地支が財局、天干に財が透くなどが条件。他者の資源・配偶者・投資に寄りやすく、運では食傷生財・官殺制比が喜び、比劫運で破れる。
  • 従官殺格:官または七殺が極旺で天干に透き、食傷で殺を制せず、印で化さない。
    月令に官殺が権を握り、地支に破れなし。権威・貴気、政治・管理向きだが、印運で身が生まれ「官殺攻身」になりやすい。
  • 従児格(従食傷格):食神・傷官が極旺で日主は泄過剰、印比の守りなし。
    創意・技術・表現の分野に多く、才能や子女に恵まれる。財運で通関が喜ばれ、は食を奪うので最も忌む。

二、従旺格/専旺格(日主極強・一方に専旺)

曲直・炎上・稼穡・従革・潤下など五専旺。比劫・印が極旺で日主の党が勢い、官殺財食傷は抑えられるか力弱い。

個性は強く、独立起業や専門領域向き。運は比劫印で勢いを助けるのが喜び、官殺財で破格しやすい。

さらに従勢格:財・官・食傷が三行とも旺で、日主に根がなく一神だけに従えないとき、全体の強勢に従う。通関の運が喜ばれ、多才だが変動も大きいタイプです。

真従格と假従格:紙一重、天地の差

日主が極弱だからといってすぐ「従格」と言うと、多くは假従です。分かれ目は純度暗助の有無

真従格

徹底的に純粋。根も扶もなく、蔵干の残気や暗拱の印比も存在しない。従う神(財・官・食傷)が方や局を成し、対立する力がない。

極めて少なく、運も極端:喜用の大運では飛躍、犯旺の大運では一落千金。『滴天髓』の言葉どおり条件が厳しいです。

假従格

表面は従えるが内に瑕あり。日主は極弱だが、わずかな比劫や印が(蔵支・合沖・従う神に制される形で)残り、徹底的に従えない引っ張りが生じます。

例:

  • 従財だが比劫が蔵根し、食傷に暗制される;
  • 従殺だが印が天干に出て、財に印を破られる。

假従の方が一般的で、かえって安定しやすい。瑕によって弾力が生じ、大運で「病を去る」(対立を合沖で消す)と一転して真従に近づく;瑕を生む運なら正格に戻り自立も可能。「假従亦可發其身」の理です。

実務では、前半は順調でも後半に犯旺で格局が反転する例があり、早めの転身や調整が要ります。

判断の実務とよくある落とし穴

真太陽時・節気・経度補正を必ず併用(排盤の章参照)。三点を見ます:

  1. 日主に根があるか(本気・余気・墓庫が沖合で壊されていないか)。
  2. 従う神が「専旺」か(月令得時・透干・会局)。
  3. 対立する十神が天干・蔵干にないか。

よくある罠

  • 普通の身弱を従格と誤認;
  • 蔵干を無視;
  • 天干だけ見て地支を見ない。

ソフトで早く出せても、「気勢」と「情義」は人の目で細かく。陰干(乙・丁・己・辛・癸)は従いやすく、陽干(甲・丙・戊・庚・壬)は気は従いにくい、と特に注意します。

その他の特殊格局(簡略)

従格のほか、例として:

  • 建祿格:日支が禄で月支が同類—専門技術向き。
  • 羊刃格:刃が殺を駕す—文武両道だが衝動的。
  • 魁罡格:魁罡天干と拱合—剛決で権力集中。
  • 金神格:金神が刃に座る—軍警・果断な業。

いずれも「破格」「成格」の後に用神を論じ、従格同様に型にはめないことです。

事例

假従財の例(匿名):

乾造 辛亥 乙未 丙申 己丑

丙火日主、未月は火囚土旺で丙に強根なし、土金の財が勢い、食傷生財も有力で一見従財。しかし年支亥に甲木印が蔵して暗生—假従

若年は投資・配偶の力で実り、中年は官殺運で印を制し事業向上;晩年に比劫運なら財の出入りに注意し健康・人間関係も。

真従殺の古典例(岳飛型の変種として):日主極弱、七殺専旺透干無制—兵権と功業、殺重ゆえ晩年の波乱。

現代の成功者にも假従児の起業家は少なくなく、創意と子女運で立て直し、大運が印に入ると「才が抑えられる」壁に当たることもあります。

特殊格局の人は個性が強く、境遇も極端になりがち。真従は弓矢のごとき緊張感、假従は勢いに合わせ心を調え、引っ張りを助力に変えることが大切です。

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