天干地支の解説(入門から実務まで)

四柱推命の天干地支入門。十干の性質と陰陽五行、十二支の蔵干と季節の旺衰、干支の生剋と通根・透干、六十甲子納音の対照表まで整理します。

このページの目次

天干地支は四柱の材料です。干支がなければ、十神・旺衰・衝合を論じようがありません。以下、天干・地支・干支の相互作用・納音に分け、実務で押さえる要点をまとめます。排盤しながら照合して読んでください。

一、天干:外に現れる「我」 - 十種の性格とエネルギー

天干は十個、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸です。天の運行の規律を表し、命盤でもっとも目に入りやすい部分です。八字では主に外に出る振る舞いと主体性を見ます。特に日柱の天干(日干)が「自分自身」であり、その他三つの天干は父母・兄弟・配偶・子女など外の関係を担います。

各天干には陰陽と五行があり、生活感覚に近い言い方をすると次のようになります。

  • 甲(陽木):大木のようにまっすぐで、開拓力と指導力が強い一方、固執も出やすい
  • 乙(陰木):つる草のように柔らかく粘り強く、穏やかで適応力が高い
  • 丙(陽火):真昼の太陽のように明るく、表現力が強い
  • 丁(陰火):灯火のように温かく、繊細で粘りがある
  • 戊(陽土):山や大地のように厚く、責任感が強い
  • 己(陰土):畑の土のように細やかで、実務性が高い
  • 庚(陽金):刀剣のように果断で、実行力がある
  • 辛(陰金):宝石のように繊細で、審美眼を帯びる
  • 壬(陽水):大河のように流れが大きく、機転に富む
  • 癸(陰水):雨露や泉のように静かで、洞察力がある

実務の要点:天干では「透干」と「通根」を重視します。地支に根(蔵干の支持)があれば力は実になり、根がなければ浮きやすくなります。

二、地支:内側の「環境」 - 蔵干と季節のエネルギー

地支は十二個、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥です。地の変化を表し、隠れたエネルギー・環境・人間関係を担います。地支が難しいのは、各支に天干が蔵されているからです。ここに四柱推命の難所と面白さがあります。

陰陽の分け方:

  • 陽支:子・寅・辰・午・申・戌
  • 陰支:丑・卯・巳・未・酉・亥

蔵干(必ず押さえる)

  • 子:癸
  • 丑:己・辛・癸
  • 寅:甲・丙・戊
  • 卯:乙
  • 辰:戊・乙・癸
  • 巳:丙・庚・戊
  • 午:丁・己
  • 未:己・丁・乙
  • 申:庚・壬・戊
  • 酉:辛
  • 戌:戊・辛・丁
  • 亥:壬・甲

地支には季節の気も宿ります。寅卯は春木、巳午は夏火、申酉は秋金、亥子は冬水、辰戌丑未は四季の土です。これが五行の旺衰、ひいては身強身弱の判断に直結します。

地支の実務的な役割:人間関係と環境を司ります。日支は婚姻、月支は事業環境、年支は祖業、時支は子女。地支同士には六衝・六合・三合・刑害などがあり、変化はここに出やすいです。

三、干支の相互作用:命式を動かす本質的な機構

天干と地支は別々に見るものではありません。

  • 同柱の干支:同じ柱の干と支は最も直接に作用する
  • 天干の生剋:甲乙木が丙丁火を生む、といった外的な流れ
  • 地支の刑・衝・合・害:六衝は変化、六合は安定、三合は勢いを集める
  • 通根と透出:天干は地支の支えを得て、はじめて安定した力になる

つかみ方としては、天干は言動や表に出る気、地支は環境や根に近いと考えると整理しやすくなります。両者が呼応すれば整い、刑衝が重なれば波折が表に出やすくなります。

四、六十甲子納音:五行に「質感」を足す

六十甲子は十天干と十二地支の全組み合わせで、古人は各組に「納音五行」を当て、正五行より細かい質感を与えました。正五行を置き換えるのではなく、補助線として働きます。

六十甲子納音対照表

甲子乙丑海中金丙寅丁卯炉中火戊辰己巳大林木庚午辛未路旁土壬申癸酉劍鋒金
甲戌乙亥山頭火丙子丁丑澗下水戊寅己卯城頭土庚辰辛巳白蠟金壬午癸未楊柳木
甲申乙酉井泉水丙戌丁亥屋上土戊子己丑霹靂火庚寅辛卯松柏木壬辰癸巳長流水
甲午乙未沙中金丙申丁酉山下火戊戌己亥平地木庚子辛丑壁上土壬寅癸卯金箔金
甲辰乙巳覆燈火丙午丁未天河水戊申己酉大驛土庚戌辛亥釵釧金壬子癸丑桑柘木
甲寅乙卯大溪水丙辰丁巳沙中土戊午己未天上火庚申辛酉石榴木壬戌癸亥大海水

現代の八字では、納音は本命五行のニュアンスや性格の細部を補う補助に使われることが多いです。本流は正五行と蔵干にあります。

結語:天干地支は命盤の「生きた地図」

天干地支を押さえれば、命盤の説明書を手にしたのと同じです。読む順番は、日干が誰か(自分)、地支に何が蔵されているか(環境)、干支がどう絡むか(流れ)。ここが通れば、命式の筋道が見えてきます。


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