天干地支の完全解説

八字の基礎──十干の性格と陰陽五行、十二支の蔵干と季節の旺衰、干支の通根・透出と相互作用、六十甲子納音の対照表つき。

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八字を始めたばかりの方が、いちばんつまずきやすいのがこの八文字──**天干(十干)地支(十二支)**です。命盤の骨格であり、ここが抜けると十神や身強身弱、大運・流年の話がすべて空中に浮いてしまいます。私自身も習い始めの頃、数か月かかってようやく「表と裏」の関係が腹に落ちました。ここでは八字の現場で本当に効くポイントだけ、できるだけ地に足のついた言い方でまとめます。読み終わったら、命盤を見るときの迷いがかなり減るはずです。

一、天干──外に出る「自分」と十種の性格・エネルギー

天干は十個:甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸。天の運行のリズムを表し、命盤のなかでいちばん目立ち、つかみやすい部分です。八字では主に外から見える振る舞い自分から動く力を司ります。特に日柱の天干(日干)は「自分」、ほか三つの天干は父母・兄弟・配偶・子など、外の関係を表します。

それぞれに陰陽と五行があり、奇数が陽、偶数が陰です。生活感覚でいうと:

  • 甲(陽木):大木のよう。開拓力とリーダーシップがあり、頑固になりやすい。甲が透干しやすい人は事業心が強く、経営やチーム牽引向き。
  • 乙(陰木):つる草のよう。しなやかで粘りがあり、穏やかで芸術肌。乙が地支でしっかりしていると、裏方の企画や文創・デザインに向く。
  • 丙(陽火):真昼の太陽。明るく表現力があり、丙日干は目立ちやすい。火が過ぎると軽やかになりすぎることも。
  • 丁(陰火):灯火。内省的で繊細。教育・研究・コンサルなど忍耐がいる仕事に合う。
  • 戊(陽土):山のような土。包容力と責任感。戊が出やすいと不動産・金融など安定領域向き。
  • 己(陰土):田畑の土。実務的で細やか。己日干はサービス精神が強いことが多い。
  • 庚(陽金):刀剣の金。決断が速く改革志向。庚が強いと行動は早いが衝動も出やすい。
  • 辛(陰金):宝石の金。洗練と審美。デザイン・宝飾・美容などに向く。
  • 壬(陽水):大河の水。機転と社交。壬日干は発想が広く、営業・企画に合う。
  • 癸(陰水):雨露・泉の水。内省的で洞察力。癸が透干しやすいと直感が鋭く、裏方の設計向き。

実務のコツ:天干は透干通根が鍵。地支に蔵干の支え(根)があれば力は実になり、根がなければ浮きやすく「言うだけ」になりがちです。

二、地支──内側の「環境」、蔵干と季節のエネルギー

地支は十二個:子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥(十二支)。地の変化を表し、隠れたエネルギー・環境・人間関係を担います。天干より難しいのは、各支に天干が蔵まっているからです。八字のエッセンスであり、いちばんつまずきやすい部分でもあります。

陰陽の分け方:

  • 陽支:子・寅・辰・午・申・戌
  • 陰支:丑・卯・巳・未・酉・亥

蔵干(必ず覚える)

  • 子:癸(水)
  • 丑:己・辛・癸
  • 寅:甲・丙・戊
  • 卯:乙
  • 辰:戊・乙・癸
  • 巳:丙・庚・戊
  • 午:丁・己
  • 未:己・丁・乙
  • 申:庚・壬・戊
  • 酉:辛
  • 戌:戊・辛・丁
  • 亥:壬・甲

地支には季節の気も乗ります。寅卯は春木、巳午は夏火、申酉は秋金、亥子は冬水、辰戌丑未は四季土。五行の旺衰──春は木が旺、夏は火が旺など──は、身強身弱の判断の根拠になります。

八字での役割人間関係と環境。日支は婚姻、月支は事業の土台、年支は先祖・家柄、時支は子。地支同士には六衝・六合・三合・刑・害などがあり、変化が激しく出やすいのもここです。例:子午衝は動揺、寅申衝は転機の象徴になりやすい、など。

三、干支の相互作用──運命を動かす本丸

天干と地支はバラバラではなく、常に結びついています。

  • 同柱の干支:いちばん直接、天干とその支の蔵干の生剋が効く。
  • 天干の生剋:甲乙木が丙丁火を生む、といった外的な流れ。
  • 地支の刑衝合害:六衝は変化、六合は安定、三合は強い力の集約。
  • 通根と透出:天干が地支に「生む」または「同じ五行」で支えられて初めて立つ──身強身弱の土台。

ざっくり言えば、天干は考えと行動、地支は現実の環境と無意識側。噛み合えば運びがよく、衝突が大きいと波乱になりやすい、というイメージです。

四、六十甲子・納音──五行の「質感」を足す層

六十甲子は十干と十二支の全組み合わせで、各組に納音五行が付いています。正五行より細かい「質感」のラベルで、正五行を置き換えるものではなく、例えば同じ金でも「剣鋒金」と「海中金」でニュアンスが違う、という補助です。

六十甲子納音対照表(実務で便利):

甲子乙丑海中金丙寅丁卯爐中火戊辰己巳大林木庚午辛未路旁土壬申癸酉劍鋒金
甲戌乙亥山頭火丙子丁丑澗下水戊寅己卯城頭土庚辰辛巳白蠟金壬午癸未楊柳木
甲申乙酉井泉水丙戌丁亥屋上土戊子己丑霹靂火庚寅辛卯松柏木壬辰癸巳長流水
甲午乙未沙中金丙申丁酉山下火戊戌己亥平地木庚子辛丑壁上土壬寅癸卯金箔金
甲辰乙巳覆燈火丙午丁未天河水戊申己酉大驛土庚戌辛亥釵釧金壬子癸丑桑柘木
甲寅乙卯大溪水丙辰丁巳沙中土戊午己未天上火庚申辛酉石榴木壬戌癸亥大海水

現代八字では、納音は本命五行のニュアンス補足や性格の細部に使うことが多いです。補助と心得え、本流は正五行と蔵干です。

結語──天干地支は命盤の「生きた地図」

天干地支が腹に落ちれば、命盤の説明書が手に入ったも同然です。読む順番は、日干が誰か(自分)→地支に何が蔵まっているか(環境)→干支がどう絡むか(流れ)──ここが通れば全体の筋が見えます。


前回の 八字(四柱)の排盤・完全ガイド とあわせて四柱を確実にし、十神や身強身弱へ進むとよいでしょう。無料で命盤を試し、現代ツールで分析するには 明明觀止の八字サービス へ。

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