易経 水雷屯 意味|始まりの難をどう越えるか
易経の水雷屯(屯卦)は上坎下震、万物の始生と始まりの難です。起業、新計画、恋愛の初交を、磐桓・帮手・利建侯の爻でオンライン占いと照合します。
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屯を占うと、第一反応はしばしば二つです。もうだめだ、始められない。あるいは、始まりが難しいなら、別の日にしよう。
どちらも偏っています。屯は諦めでも、無理な突撃でもありません。万物が土から出た直後です。芽は本物、土も本物、雨はまだ頭の上にあります。
乾坤のあとが屯です。天と地ができ、ものが生まれ出るとき、必ず満ち、擠り、不順です。この卦が出れば、事はたいてい「始めてよいが、始めること自体が難しい」です。難は、問題を間違えた印ではありません。
屯卦の卦象:上坎下震、水雷屯
屯の卦象は上坎下震。上は水、下は雷、全称は水雷屯です。雷は動こうとし、水が上で遮るので、動きは辛いです。上下を逆に書いて雷水にすると、訟の近くの味になり、卦全体を誤断します。
『序卦』は直截です。「屯者盈也,屯者物之始生也。」盈は満、塞がっていること。始生は頭を出したばかり。二つが重なります。空虚ではなく、満ちすぎ、新しすぎ、まだ一条の道が整理されていないのです。
『彖』は「剛柔始交而難生。」と言い、また「動乎險中。」と言います。陽と陰がぶつかったばかりで、難がついて生まれます。下の震は動、上の坎は険で、人はすでに動いているのに険の中で動いています。占いでいちばん使える一句です。動いていないのではなく、険の中で動いているので、一歩ごとが労力に感じます。
『象』は雲雷屯、君子以て経綸す、と言います。経綸は糸を整え、政を整えることで、乱れた線を線にすることです。屯を得たら、嘆くのではなく、整え始めることが課題です。人事、資金、先後の順。整えるときは遅くてよく、乱掴みして走るのはいけません。
卦辞には飛ばされやすい一句があります。「勿用有攸往,利建侯。」遠くへ急いだり、大局を急いで定めたりしないことです。利があるのは、まず主事できる人を立て、拠点を守ることです。起業なら共同者と責任者を探すこと。家ならまず担う人を置くこと。感情なら関係の位置を先に話し、未来三十年を先に書き切らないことです。
屯卦を得たとき、仕事と財運の見方
仕事で屯が出れば、よくある場面は、辞めたばかり、登記したばかり、未経験の案件を受けたばかり、店を開いたばかりです。製品は良く、市場も本物でも、人手不足、免許未了、現金が途切れ、鍵になる人が様子見、ということが起きます。
いちばん誤った戦略は両極端です。一方は「来たからには全部賭ける」。屯の険はまだ上にあり、全賭けは芽を踏み折りやすいです。他方は「難しいから、しない」。芽は土で腐ります。卦気に合うのは磐桓です。進んでは退き、調整を繰り返し、位置を固め、帮手を揃えること。利建侯がそれです。
財運では、屯は一度に大金が入ることは少ないです。種銭、運転資金、拠点を養う金に近いです。帳は開けても、元手は空にできません。投資で屯が出れば、機会がないのではなく、まだ出土中で、評価額を成果と見なさないことです。「今月元が取れるか」と問うて屯なら、今月はまず生きること、元を取るリズムはこの卦ではありません。
面接、受注、新発売でも屯は動けますが、手続きの停滞、ドタキャン、条件の揺れを受け入れる必要があります。停滞は屯の日常であり、世界が自分を狙っているのではありません。乾卦の飛龍の心で屯を過ごせば、全世界が意地悪に見えます。段階を誤認しただけです。
共同事業で屯を問うなら、重点はほとんど「侯」がどこかです。誰が主か、誰が出資か、誰が名を担うか、誰は手伝うだけか。はっきりしなければ、後の班如、泣血が来ます。屯は小さいことを恐れず、主心骨がないことを恐れます。
屯卦を得たとき、感情と対人の見方
感情で屯が出れば、関係はたいてい始まりか、始まりに見えます。知り合ったばかり、復縁したばかり、窓紙を破ったばかり。心は動いており、道は泥です。
六二の「屯如邅如,乘馬班如」は、馬がその場で回り、進もうとして進めない画面です。相手が必ず弄んでいるのではなく、二人ともまだ歩き方の準備ができていません。「匪寇婚媾」が付けば、外からは衝突や拒絶に見え、内実は姻縁の一路で、時機が来ていないだけです。こうした爻では、相手を敵と定義するのがいちばん拙いです。
独身で屯が出れば、縁は来ても、遅く、回り、考えすぎではないかと疑わせます。「十年乃字」を十年と死記する必要はありません。女方、あるいは求められる側が、いま貞に住し、まだ承諾しないのが正しい、という意味です。結婚・確定・公開を迫るのは、芽に熱湯を注ぐようなものです。
すでに一緒なら、屯は関係を次の段階へ進めたいときに多いです。対面、両親に会う、同居、結婚の話。話はできますが、最後通牒では話しません。対人では、屯は独行を控えるよう勧めます。始まりが難しいとき、一言助けてくれる一人は、「自分を信じよ」と励ます十人より役立ちます。利建侯の侯は大人物とは限らず、局面を安定させてくれる人です。
職場の対人で屯が出れば、新チーム、新上司、新同僚がいちばん多いです。互いが未熟で、規矩もまだなく、功を争う者が先に人を損ねます。まず関係を織り、それから働きを語ります。経綸は、人から始めます。
屯卦で必ず覚える四爻
屯卦六爻のうち、次の四爻は逆に断じられやすいので、先に覚えます。ほかが不要なのではなく、誤断が多いからです。
初九:磐桓,利居貞,利建侯。 磐桓はそこに盤り、徘徊し、一度に飛び出さないことです。利居貞は、正を守り、いまの位置を守ることが利。利建侯は、帮手と責任者を立てることが利。初九は寝ろというのではなく、始めよ、ただし下地です。人を探し、規矩を設け、店を正しく置くこと。起業初月に広告で焼き切らず、仕入れ、免許、店番を先に考えるのが初九です。
六二:屯如邅如,乘馬班如。匪寇婚媾,女子貞不字,十年乃字。 班如は馬隊が並び、動けないこと。女子貞不字は、生涯嫁がない運命ではなく、いま承諾に向かないことです。六二では、感情で死の約束をせず、仕事で自分を縛りすぎる契約を先に結ばないことです。相手が急いでも、遅くてよいです。遅さは冷たさではなく、芽がまだ柔らかいことです。
九五:屯其膏,小貞吉,大貞凶。 膏は恩沢、恩恵、降るべき雨です。九五は君位ですが、屯のときは君位でも膏が屯み、恩恵が民に降りません。小事を守正すればなお吉、大事を一度に成し遂げようとすればかえって凶。九五では、主管、出資者、家で最も発言が重い人であることが多いです。資源を握って「完璧な時機」を待ってから人に与えないことです。小さいところから潤し、給与を先に払い、約束の最小の一切を先に渡します。大計、大婚、大合併は、この爻は応援しません。
上六:乘馬班如,泣血漣如。 馬はまだ回り、すでに血の涙です。屯が最上まで行き、始まりの難が解けず、人は枯れています。上六は、もう一押しで通る、ではありません。この道に力を誤りすぎたので、止まり、問い方を変え、泥から引き上げてもらうことです。感情では、長期の引き延ばし、来ない名分を苦待つことがよくあります。仕事では、人が尽き、金が尽き、言葉が尽きても終了を宣言できない案件がよくあります。上六の慈悲は泣くことを許し、同時に、その場で回る馬に乗り続けるなと求めます。
初九は難でも立てる、六二は難で許さない、九五は膏があっても降りない、上六は難が出血まで行く。四つの位置、四つのやり方を、「始まりは難しい」の一句で糊塗できません。
屯卦でいちばん改めたいやり方
屯を「時機未到、何もしない」と読む人が多いです。屯と「潜龍勿用」を混ぜています。乾の初爻は潜で、力はまだありません。屯はすでに始生しており、ただ難しいのです。種と、まだ種がないことは、同じではありません。
屯を得たら、三行書くとよいです。
- この事の芽は何か。芽がなければ屯ではなく、考えすぎです。
- 険はどこか。金、人、法規、体、相手の家。書き出します。
- 侯は誰か。侯が見つからなければ、まず探し、遠征を先にしないことです。
始められないのではなく、難しいのです。難の越え方は磐桓、経綸、建侯です。始まりから順であるべきだと思う人は、最初の釘で進路を疑います。屯は言います。釘は標準装備です。学ぶべきは、険の中でも少し動けることであり、険が消えるのを待つことではありません。
動乎險中は、冒険を愛せということではありません。事はすでに動き、険もあり、動きながら最も深い穴を避けるしかない、ということです。後の需卦の「険が前にあり、まず待つ」とは違います。屯はすでに生まれ、需は生まれてもまだ小さく、養う段階です。段階を飛ばさないことです。
易経 屯卦の関連記事
屯の前は乾坤、後ろは蒙です。始まりの力は乾から借り、載せる力は坤から借り、芽が出てまだ分からないのが蒙です。対照してください。易経 乾為天 意味|占いの見方、潜龍から亢龍、易経 坤為地 意味|厚徳載物、先迷後得の使い方、易経 山水蒙 意味|学びと師の求め方。
易経 屯卦のよくある質問
屯を得れば、この事はできませんか。
できないのではなく、成る過程が擠り、遅く、人を頼むことです。卦辞に元亨利貞があり、死卦ではありません。本当にできないのは、「勿用有攸往」を「永遠に往くな」と読むか、「利建侯」を任意と見なす場合が多いです。
起業一年目に屯ばかり出ます。収めるべきですか。
爻を見ます。初九、六二は耐え、調整し、人を待てます。九五は恩恵が降りているかを点検します。上六でなお無理に支えれば、損切りを真剣に計算します。同じ卦が続いて出ても、建侯したかを見ます。ずっと単独なら、屯は特に長く見えます。
感情で屯が出たら、相手は拒絶していますか。
拒絶のことも、「匪寇婚媾」のこともあります。妨げに見えて、まだ許せる時機ではない。六二は特にこの型です。見るべきは、相手が回り、難んでいるかであり、その日に承諾したかではありません。「愛しているのか」と迫る効率は、屯ではとても低いです。
屯と否の違いは何ですか。
否は通らず、気が交わらないことで、重点は閉です。屯は生まれようとし、いま生まれつつあり、重点は難です。否の戦略は倹と収に偏り、屯の戦略は立て、整え、帮手を探すことに偏ります。否で開店するのは殴られに行くようなもので、屯でまったく動かないのは芽を蒸し殺すことです。どちらも辛いですが、辛い理由が違います。
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